彼は、28歳まで会社でサラリーマンをしていて、100万円の貯金がありました。そんなある日のこと。彼の目にこんな一言が飛び込みました。

 

「1万円からFXを初めて100万円に！」

 

彼はすぐさまその文言に飛びつきました。もともと会社勤めはサービス残業も多い、いわゆるブラック企業だったため、いつかセミリタイアしたいと考えていたのです。

 

次の日には1万円ほどの入門書のような教材を買い、その次の日には早速口座開設をしました。

 

その一週間後、、、

 

はじめは五万円だった資金が、三十万円にまで昇っていました。

 

いわゆるビギナーズラックというやつです。

 

そして彼は、「これはイケる」と確信し、保証金を60万に増やし、レバレッジも最高までかけてトレードし始めました。ところが、、、

 

その日のうちに、45万円を失ってしまったのです。

 

その日彼は余りにも打ちのめされて夕飯を食べられなかったといいます。

 

ただ、彼はそこで諦めきれませんでした。

 

翌日、からも３度の食事以外はトレードに熱中。ついに、15万円から200万円まで資金を増やしました。

 

今思えば、これさえ無ければ彼は45万円の損失で済んだことでしょう。この中途半端な復活は、彼に「すってもいつでも取り返せる」という根拠のない自信を植え付けてしまったのです。

 

案の定、幸運が続くわけもなく、彼はまた100万円を失いました。ただ、先程の経験から、「また取り返せる」とばかりに同じようなトレードを止めませんでした。

 

結果、、、

 

勝ったり負けたりを繰り返し、結局持ち金ほぼ全てを失ってしまいました。

 

しかも、この最悪なタイミングで最悪な声がかかります。

 

「今なら10万円、無担保で貸しますよ。」

 

普段の彼は、こんな怪しい言葉を聞いてヤミ金融と分からないはずがない真面目な人間です。

 

ただ、もはや彼にまともな判断はできませんでした。

 

「借りたカネを返そう」という心理も働き、負のサイクルはさらにスピードアップしてしまいます。

 

気がつけば借金は150万円にまで膨れ上がっていました。

 

取り立ても激しくなり、弁護士に相談。ようやく彼は目をさますことが出来ました。